【読書記録】小野寺史宜『まち』― 人と人とのつながりを描いた、心あたたまる物語

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書籍情報

  • タイトル: まち
  • 著者: 小野寺史宜(おのでら・ふみのり)
  • 出版社: 祥伝社
  • 出版年: 2022年

あらすじ

幼い頃に両親を亡くし、祖父とともに小さな村で育った主人公。
やがて東京へ出て、さまざまな人たちと出会いながら、
人の優しさや社会の現実、そして自分自身の弱さと向き合っていく――。

大きな事件が起きるわけではなく、日々の出来事の積み重ねの中に、
人との関わりのあたたかさや、生きていく力が静かに描かれています。


感想

小野寺さんの『まち』は、前作『ひと』と同じく「人と人とのつながり」をテーマにした、
やさしい時間が流れる物語です。
ただし、物語の内容は直接つながっておらず、独立した作品として楽しめます。

登場人物それぞれが抱える小さな痛みや希望が、さりげない会話や風景描写の中で丁寧に表現されていて、
読んでいるうちに心の奥がじんわりとあたたまります。

派手な展開はないけれど、誰かの日常の中にある「優しさ」や「再生」を静かに描いており、
読後に穏やかな余韻が残ります。
文体もやわらかく、どの章もスッと心に入ってくるような心地よさがあり、
まるで自分もその“まち”の中で暮らしているような感覚になります。

忙しい毎日の中で少し立ち止まりたいときに読むと、
人とのつながりや、当たり前の生活の尊さを思い出させてくれる一冊です。


こんな人におすすめ

  • 穏やかな雰囲気の小説を読みたい人
  • 人との関わりをテーマにした物語が好きな人
  • 『ひと』が好きだった人
  • 日常の中にある小さな希望を感じたい人

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